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70歳の患者さん曰く、
「○○先生には私が20歳の頃から50年も面倒をみてもらっているの。若い頃は歯が全然悪くなかったけど、今ではもう1本も無いの…。でも○○先生に作ってもらった上下の総入れ歯はいいのよ〜。よく噛めて。おほほほほほほほほほ〜(笑)。」 |
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皆さんはこの患者さんの話を聞いてどう思われますか?
・○○先生の総義歯はよく噛めるのでしょうか?
・○○先生の歯科の技術はすごい(すごくうまい)のでしょうか? |
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否!よく考えてみて下さい。 |
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この患者さんは、少なくとも20歳の頃には全部歯が残っていたのですよ。(おそらく、27〜28本) |
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歯医者に治療に行ったら、50年間の内に歯が全部無くなってしまった、こう解釈できるのです! |
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50年間お世話になって、歯が1本も無くなってしまった…。 |
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○○先生はその患者さんの歯を残せなかったのです。 |
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歯を残すのが歯科医師の役目のはずです。抜くのが仕事ではありません。
(1) |
抜歯は、歯科医のひとつめの敗北です。(新患飛び込み抜歯の患者さんは除く) |
(2) |
ブリッジ(橋義歯)も、歯科医のふたつめの敗北です。 |
(3) |
小さな部分義歯(少数歯欠損)も、歯科医の3つめの敗北です。(同上) |
(4) |
大きな部分義歯(多数歯欠損)は、歯科医の4つめの敗北です。(同上) |
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でも、残念ながら新患で当院に来院される患者さんには、上記に該当される方が多いのが現状です。 |
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こう考えると、50年間お世話になった結果の上下総義歯は???です。 |
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私の歯科人生の中で、ほんのちょっとの敗北はあるかも知れません。 |
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向こう30〜40年間の歯科人生、私は大きな敗北をしたくありません。 |
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是が非でも、勝利に向かいます。歯を残すのです。
(これには、患者さんの協力、予防・定期検診への御理解が欠かせません。逆にこれなしでは無理でしょう。) |
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歯を残すのが私達(歯科医・歯科衛生士)の仕事です。 |
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歯を残すのために、予防&インプラントは多いに貢献していると確信しています。 |